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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2014年08月22日

遠いからこそ感じるもの

僕が小学生の時の夏休みは、8月になるとすぐにかみのやまの母の実家に一人で行くんです。

上野駅まで母が送ってくれて、特急やまばとに乗りかみのやままで一人旅です。

はじめて一人でかみのやままで行ったのは3年生の夏休みです。

母が僕の隣の座席のビジネスマンに「よろしくお願いします」と頭を下げていた光景を今でも覚えています。

僕は小さいころから物怖じしない性格で、幼稚園のころから一人で見知らぬ街へ散歩に出かけては両親を心配させていたものです。

ビジネスマン氏はやまばとが発車すると、僕を窓側の席へ移してくれて、通路側の席で雑誌を読みふけっていました。

僕は初めての一人旅で、特急に乗っているという高揚感もあって、終始窓にかじりつくように外の景色を眺めていたのです。

途中で車内販売のワゴンが来たときに、隣のサラリーマン氏が「POMジュース」を買ってくれました。

僕は「ありがとうとございます」と言って少しぬるいPOMジュースを飲みました。

あのころ、車内販売でのオレンジジュースといえば少し酸っぱいPOMジュースでした。

PETボトルなんてまだありませんし、缶も容量は細長い250mlで、車内販売のワゴンには、コカコーラとPOMジュース、それに発売したばかりのポカリスエットがあったと記憶しています。

お茶は今のように冷えたペットボトルというものはなくて、ポリエチレン製の持ち手のついたあのお茶容器にティーバックが入っていて、注文のたびにお湯を入れてくれてました。

その時の車内での食事は母のおにぎりでしたが、米沢駅の牛肉弁当のおいしさは今でも忘れられません。

「やまばと」は特急といっても上野からかみのやままで、当時は所要時間で4時間以上かかります。

かみのやまは小学生の僕にとっては遠くてなかなか行けないところと感じていましたから、夏休みや春休みにやまばとに乗って向かうときは何か特別な高揚感を感じたものです。

今は新幹線で2時間半ほどですね。

時間的に近くなったのはそれはそれで結構なことですが、僕には妙な寂しさを感じます。

子供のころの記憶というのは案外鮮明に覚えているもので、子どものころのかみのやまでの思い出というのは、今でも僕にとって冬の軒先の陽だまりのような何とも言えないあたたかな思い出ばかりです。  


Posted by らぶやまがた at 22:09Comments(0)